第9話・ラビット、玉ちゃんを語る

[前回までのあらすじ]
 T村さんの事件以来、前ほどの勢いが無くなり始めたラビット。
 そのためか、本命となりつつある「玉ちゃん」さん。
 この悲劇のヒロインとはどんな人物なのだろうか?
 好奇心は沸くばかりである。
 はたして彼女を救えることはできるのだろうか? 

                              
第9話 「ラビット、玉ちゃんを語る」
                              
 
 今日もラビットは海ちゃんの部屋でくつろいでいた。
「こら!いいかげん自分の部屋に帰れ!」
 相変わらず海ちゃんは不機嫌の状態でいた。
「ええー、別にいいじゃん!」
 その言葉も耳にたこができるほど聞き飽きた。
「けっ、この腐れ外道が!そういえば最近[玉ちゃん]とは どうなのよ?」
 海ちゃんは少し気になっていたことを口にした。
 事実、彼は最近日曜日などの休みとなれば、毎回のように札幌の中心街へ向かい、玉ちゃんと会っている。 
「う~ん玉ちゃんはねぇ、親とか厳しいし、食生活が合わないからなぁ。」
「食生活?どういうこっちゃ?」
「うん。彼女肉とか魚とかっていう、まあ生きているものは食べれないのさ。」
「はあ?ベジタリアンってやつか。穀物や野菜しか食べれないぇ・・・。」
 確かににそれは問題だと海ちゃんは思った。
「しかしなラビットよ。植物だってちゃんと生きているんだぞ。生きてるものが食えないなら、結局は何も食べれないんだ。そんなことだと体だって弱るし、間違っていると教えてやれ」
「う~ん、確かにそうなんだけどさ。そう簡単にはいかんのだよ」
 ラビットのいうことにも一理ある。
 だからあえて海ちゃんはそれ以上のことは言わなかった。
「ま、しょせん彼女はモルモットってやつか。本命は神奈川県人て知ったら彼女どうなるだろうかね」
 ちなみにこの外道は神奈川県人に振られてからも、まだ忘れられずにいたのである。
「うるせー!いいんだよ。今は若いうちにしかできないことをやるだけだ」
 呆れてものもいえない。
 しかしそんな彼にも不信な影が忍び寄る・・・

                              
[次回予告]
 ついにラビットの存在を親に話した玉ちゃん
 ラビットという言葉に不信を抱いた母親は驚きを隠せなかった。
 その結果、親はある行動に移るのであった・・・
 過保護な玉ちゃんの親はいったい何をしでかすのだろうか?
                              
 第10話 「ターゲットにされたラビット」 にご期待下さい!

※ この物語はラビの承諾を得て、事実を元に構成されたノンフィクションです。

   総監督 海ちゃん



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